ミノキシジルの効果は?|外用薬・内服薬の違いや副作用について
ミノキシジルとは、育毛分野において今注目を集めている成分の名前です。
数多くの発毛剤に配合されており、薄毛や脱毛に悩む人であれば、聞いたことのある可能性が高い成分だといえます。
一方で、その効能や副作用について、心配されている方もいることでしょう。
また、外用薬と内服薬、それぞれどのような違いがあるのかも知りたいところです。
この記事では、ミノキシジルを使用することで期待できる効果と、外用薬・内服薬の違い、副作用について解説します。
目次
ミノキシジルとは
ミノキシジルは、主にAGA(男性型脱毛症)やFPHL(女性型脱毛症)の治療を目的として、世界各国で承認を受けている薄毛治療成分です。
もともとはアメリカのアップジョン社が高血圧治療薬として開発しましたが、臨床使用を通じて発毛促進効果が確認され、薄毛治療の分野へと応用されるようになりました。
日本においても、厚生労働省から発毛効果が認められている唯一の成分として、多くの外用薬に配合されています。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルは、血流の改善を通じた毛根への栄養供給と、ヘアサイクルの正常化という2つのアプローチを行います。これらが組み合わさることで、発毛の促進や抜け毛の抑制といった多角的な恩恵が期待できます。
血流を促進する
ミノキシジルは毛細血管を拡張させ、頭皮全体の血液循環を促進する作用を持ちます。
髪の毛の成長に必要な栄養素や酸素は血液によって運ばれます。頭皮の血流が滞っているとこれらが届かず、薄毛の原因となりかねません。
ミノキシジルによって血流が活発になることで、毛根に酸素や栄養素が届きやすくなり、 髪の毛を作り出す毛母細胞の活性化を促せます。これにより、栄養不足で細くなった髪に対して、力強い成長を促す作用が期待できます。
ヘアサイクルを整える
ミノキシジルには、髪が生え変わる周期としてのヘアサイクルを正常化させる作用が期待できます。
毛髪には「成長期→退行期→休止期」というサイクルがあり、このサイクルが乱れると脱毛が加速します。ミノキシジルの利用によって、乱れたヘアサイクルを正常な状態へと近づけることが可能です。
ヘアサイクルに対するミノキシジルの作用
●休止期にある毛包を早期に成長期へと移行させる
●成長期が短縮してしまった毛包に直接働きかけ、成長期を延長させる

ミノキシジルの用法
ミノキシジルは主に、外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)という2種類の使用方法があります。
この章では、それぞれの用法について、どのような特徴や効果があるのかを解説します。
ミノキシジルの外用薬(塗り薬)の特徴
ミノキシジルの外用薬は、頭皮から毛根に直接浸透させるために、主に頭皮に直接塗布して使用します。
一般的には濃度2〜5%のものが多く用いられており、5%までの濃度であれば、医師の診断を受けずとも、ドラッグストアで購入が可能です。
市販品で効果が得られない場合には、医師の診断を受けることで、それ以上の濃度を持つミノキシジル外用薬を処方してもらえます。ただし、一般的に濃度が高ければ高いほど副作用も大きくなるため、ご自身の健康状態と相談することが重要です。
また、ミノキシジルの外用薬としての使用方法は、日本皮膚科学会によって利用推奨度がA(行うよう強く勧める)に設定されています(※)。
そのため、効果が期待できる利用方法だといえるでしょう。
※参考:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』
ミノキシジルの内服薬の特徴
ミノキシジルの内服薬は、錠剤として口から摂取するタイプの薬品です。体内へ直接成分を取り込むことから、より高い発毛効果を期待する声もあります。
一方で、ミノキシジル内服薬は厚生労働省の承認を受けておらず、国外においても発毛目的では認可されていません。
日本皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨度はD(行うべきではない)と最も低い評価となっており、同学会は「利益と危険性が十分に検証されていない」と述べています。

※参考:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』
ミノキシジルの副作用
厚生労働省の発表によると、外用薬のミノキシジルの副作用の発生確率は8.82%です。
ただし、重篤な副作用は報告されておらず、使用上問題ないとされています。
ここでは、主な副作用の内容について記載します。
参考:厚生労働省『ミノキシジルのリスク区分について』
痒み・かぶれ・炎症
痒み・かぶれ・炎症を代表とした皮膚の異常が発生する可能性があります。
主にアレルギーによる反応で、そのような異常が発生した場合は肌に合っていない可能性があります。
発現率は低く、重篤な事態に至る可能性は低いものの、皮膚に異常を感じたら、すぐ医師に相談しましょう。
使用を差し控えるように診断された場合でも、別の治療方法であれば治療できる可能性があります。
頭痛・立ち眩み・めまい
頭痛・立ち眩み・めまいなどの症状も副作用として発生することがあります。
ミノキシジルの効能には、毛細血管を拡張させて血流の流れをよくする効果があるため、
毛細血管が拡張されると心臓に戻る血液の量が低下し、低血圧の状態に陥る場合があります。
もしも頭痛を始めとした異常を感じた場合には、一度使用を止めて医師に相談してみるとよいでしょう。
その他の副作用
主な副作用は頭皮と脳に関する異常ですが、他にも副作用として報告されているものがあります。
発疹・血圧上昇・アナフィラキシー・突発難聴などです。
一方で、報告例としてあがっているだけで、厚生労働省の調査発表によるとミノキシジルとの関連性は認められていません。
そのため、それらの副作用はほとんど発生しないと考えて問題ないといえます。
ただし、使用時に何かしらの体調不良が発生した場合は、医師へ相談することをおすすめします。
ミノキシジルの効果を実感しにくい場合に考えられる原因
ミノキシジルを使用しても期待した反応が得られない場合、いくつかの原因が考えられます。自身の脱毛タイプや製品の入手経路、日々の生活習慣を振り返る視点が必要です。
ミノキシジルが効かない人とは。誤用・誤認によるケースと対処方法
薄毛の原因がAGA・FPHL以外にある
ミノキシジルは、AGAやFPHLに対して効果が期待される薬剤です。
円形脱毛症のような自己免疫疾患や、頭皮の皮膚疾患に起因する薄毛に対しては、ミノキシジルの作用では対応できません。
自身の薄毛がどのようなメカニズムで起きているのかを正しく把握しないまま使用しても、改善に至らない可能性があります。
自分の薄毛がどの原因によるものかを正確に把握するためには、皮膚科や専門クリニックで診断を受けることが大切です。
個人輸入による粗悪品を使用している
インターネットを通じた個人輸入で入手したミノキシジル製品は、品質管理が不十分な場合があります。
個人輸入したミノキシジルで考えられるリスク
●ラベルに記載された有効成分が実際には含まれていない
●不純物が混入している など
非正規品は安価に入手できますが、期待通りの発毛効果が得られず、健康被害を招く可能性もあります。
ミノキシジルを使用する際は国内で正規流通している製品か、医療機関で処方されたものを選ぶことが重要です。
生活習慣に問題がある
生活習慣に問題があると、ミノキシジルによる発毛促進を阻害する要因となります。
ミノキシジルは発毛を促す役割を担いますが、AGAやFPHLの根本原因であるホルモンバランスを直接制御するわけではありません。そのため、睡眠不足・過度なストレス・栄養の偏りといった生活習慣の乱れが続いている場合、発毛が阻害されてミノキシジルの効果が発揮されにくくなります。
十分な睡眠の確保やバランスの取れた食事など、毛髪の成長を支える生活習慣を整えることが、ミノキシジルの効果を最大限に引き出す上で欠かせません。
ミノキシジルの初期脱毛は育毛効果によるもの
ミノキシジルを服用し始めると、一か月もたたない間に「増毛」ではなく「脱毛」が見られる可能性があります。
これは副作用ではなく、ミノキシジルの効果が表れている証拠です。
ミノキシジルは髪が生え変わるサイクルを整える効果があります。
その過程で、古い髪の毛が新しい髪の毛に生え変わるため、毛が抜けていくのです。
初期脱毛は育毛効果が表れている証であるため、使用し始めた初期に脱毛が見られても、継続利用を推奨します。
ミノキシジルと他の薄毛の治療方法との比較
ミノキシジル以外にも、薄毛の治療に使用できる薬はさまざまです。
ここでは、主な薄毛治療の方法を紹介します。
| 使用方法 | 皮膚科学会の推奨度(男性) | 皮膚科学会の推奨度(女性) | 副作用のリスク | |
|---|---|---|---|---|
| ミノキシジル | 外用薬 | A | A | 低 |
| フィナステリド | 内服薬 | A | D | 低 |
| デュタステリド | 内服薬 | A | D | 高 |
| アデノシン | 外用薬 | B | C1 | 低 |
| 植毛 | 手術 | B(自毛) D(人工毛) | C1(自毛) D(人工毛) | 低 |
| 低出力レーザー | レーザー照射 | B | B | 低 |
参考:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』
フィナステリド
フィナステリドはミノキシジルとは違い、内服薬として使用される薬です。
主に生え際・前頭部とつむじあたりの育毛効果が期待できます。
ミノキシジルと同様に、副作用の発現率は低いため、リスクを抑えた育毛効果に期待できます。
フィナステリドは内服薬で、ミノキシジルは外用薬で使用されるため、併用しての育毛も可能です。
一方で、後述するデュタステリドは同じ内服薬であるため、そちらとの同時服用は推奨されません。
デュタステリド
デュタステリドは内服薬として薄毛治療に利用されます。
フィナステリドとは違い、頭部全体の育毛効果が期待できる薬です。
一方で、他の治療薬と比較してデュタステリドの副作用の発現率は高く、利用にはリスクが伴います。
ただし、必ず副作用が発現するわけではないため、体質に合う人はミノキシジルと併用してもよいといえるでしょう。
前述したように、同じ内服薬であるフィナステリドとの併用は推奨されません。
アデノシン
アデノシンはミノキシジルと同様に、外用薬として使用する薬です。
効果もほとんど同様で、ヘアサイクルを整えての育毛と脱毛予防ができます。
さらに、発毛促進させる細胞を増殖・活性化させる点も同様であるため、ミノキシジルとほとんど同様の効果が期待できるでしょう。
また、副作用の可能性や効果もミノキシジルとほとんど変わりがありません。
ただし、皮膚科学会ではミノキシジルより推奨度が劣るという評価をされています。
ミノキシジルが肌に合わない、もしくは効果が薄い場合に使用を検討してもよいといえるでしょう。
植毛
手術により頭皮に毛を植え付けることで、薄毛治療をする方法が植毛です。
植毛のメリットは、元々毛が生えていない場所にも毛を生やせる点にあります。
そのため、自由にヘアスタイルを整えられることが特徴です。
また、一度植毛してしまえば、ほとんどの場合はメンテナンスの必要がなく、何度も病院に通う必要もありません。
ただし、薬の服用とは異なり、手術が必要です。加えて、脱毛の根本的な改善にはならないため、治療に関しては継続して行う必要があります。
初期費用も高いため、気軽に試すには向いていない方法です。
低出力レーザー
低出力のレーザーを頭皮にあてて、細胞を活性化させ、育毛を促進させる方法です。
低出力レーザーの最も優れている点は、男女問わず利用できる点です。
他の治療薬には、男性のみに効果が期待できて女性には効果が薄いものが数多くあります。
また、副作用の心配が少なく、頭皮に影響が出る心配もほとんどありません。
他の方法とも併用できるため、ミノキシジルと同時に試してみてもよい治療方法だといえるでしょう。
ミノキシジルのよくある質問
ミノキシジルに関して、よくある質問を以下にまとめました。
ミノキシジルはどのくらいで効き始める?
ミノキシジルで発毛を実感するには、一般的に数ヶ月単位の継続使用が必要です。
使い始めて1〜2ヶ月では初期脱毛が現れることがあり、肉眼で変化を感じにくい時期が続きます。多くの場合、3〜6ヶ月以上継続することで徐々に発毛や毛量の変化が確認できるようになるとされます。
ヘアサイクルの性質上、効果の現れ方には個人差があるため、焦らず使い続けることが大切です。
ミノキシジルをやめるとどうなる?
ミノキシジルをやめると、再び薄毛になる可能性があります。
ミノキシジルはヘアサイクルを整え、発毛効果を促進し、薄毛予防にもなりますが、薄毛そのものの原因を治療するわけではありません。
そのため、服用をやめるとそれらの効果がなくなります。
ミノキシジルは継続して利用することをおすすめします。
ミノキシジルは女性にも効果がある?
ミノキシジルの外用薬は女性の薄毛(FPHL)にも有効です。日本皮膚科学会のガイドラインでは男女ともに推奨度Aの評価となっています。
ただし、推奨される使用濃度には男女差があり、女性には低濃度の製品が適しているとされています。女性向けミノキシジル外用薬の一般的な濃度は1%程度です。
女性の方がミノキシジルを使用する際は、適切な濃度の外用薬を選び、必要に応じて医師に相談することが欠かせません。
参考:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』
ミノキシジルは他の育毛剤と併用してもよい?
ミノキシジル自体は他の育毛剤との併用も可能です。
複数の治療方法を同時に試すことで、より効果が期待できます。
ただし、フィナステリドとデュタステリドの同時服用は推奨されません。
用法を正しく守り、さまざまな薄毛治療方法を組み合わせて育毛しましょう。
ミノキシジルは必ず効果が期待できる?
効果がどの程度現れるかどうかは、使用する人の体質や薄毛の状況によります。
そのため、必ず育毛効果に期待できるとは断言できません。
ただしそれは、ミノキシジルに限った話ではなく、すべての治療薬においてそうだといえるでしょう。
一方で、日本皮膚科学会での推奨度が高いため、一定以上の効果は見込めると考えられます。薄毛に悩んでいる人は、ミノキシジルを試してみることをおすすめします。
ミノキシジルを使ってはいけない人はいる?
健康状態やライフステージによっては、ミノキシジルの使用を控える必要があります。
ミノキシジルの使用を控えた方がよい人
●高血圧や低血圧で治療中の方
●心臓や腎臓に持病がある方
●頭皮にただれや炎症がある方
●妊娠中、または授乳中の方
●甲状腺機能障害や、持病で通院している高齢者の方 など
ミノキシジルはもともと高血圧治療薬として開発された背景があるため、血圧や循環器系への影響が懸念されます。また、ミノキシジル外用薬を炎症のある頭皮に使用することは推奨されません。
妊娠中、または授乳中の場合、胎児や子どもへの悪影響が考えられるため、使用は避けるべきです。甲状腺機能障害や、持病で通院している高齢者の方の場合も、使用前に医師に確認することが欠かせません。
まとめ
ミノキシジルは薄毛治療に使用される、非常に優れた治療薬です。
外用薬・内服薬での用法がありますが、内服薬での使用は推奨されず、外用薬としての利用をおすすめします。
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